[コラム]機能性アウトドアウェア「ゴアテックス GORE-TEX」の洗い方(後編)

神奈川県相模原市でクリーニング屋を営んでいるハヤシです。
クリーニング屋から、スポーツ/アウトドアに関する記事を寄稿させて頂いておりますが、、、、前回の[前編]からだいぶ時間が空いてしまいました。



前編では、ゴアテックスの機能/仕組みについてお伝えしてきましたが、後編では、実際に洗濯していきます。

間もなく梅雨がやってきますね。
レインジャケットの季節です。最近はレインジャケットを着て自転車に乗っている方も増えてきたように思います。雨をバッチリ弾いてくれると憂鬱な雨の中での自転車も少し楽しくなりそうですね!

ということで、今回はゴアテックスのレインジャケットを洗い、撥水加工をしてみます。
是非、お付き合いください。

私が普段着用しているゴアテックスのレインジャケットです。
私は雨の日でなくても仕事や釣りでガンガン着ていたので汚れもありますし、写真の通り、撥水機能も大分落ちてきてしまっています。


①しっかり洗う


雨に備えるのだから撥水加工だけすればいいのでは?
と思うかもしれませんが、汚れがついた状態で撥水加工をしても撥水剤がうまくのらず効果は限定的です。
表面の汚れをしっかり落とし撥水加工をすることで、MAXの撥水性を発揮します。

洗濯機でも洗える洗濯表示ですが手洗い好きなので手洗いします。
この1着しか洗わないので洗濯機で洗うより水の節約にもなります。

ローコードはゆるめ、チャックはすべて閉めます。手首のベルクロもゆるめておきます。

特にそでとエリ、食べこぼしが気になったので洗濯用固形石鹸(蛍光増白剤が入っていないもの)を使って前処理します。石鹸はしっかりとすすいで下さい。

ゴアテックス素材のレインウェアは液体の中性洗剤を使用して洗って下さい。
柔軟剤、漂白剤、蛍光増白剤、シミ抜き剤の入っているものは生地にダメージを与えたり、ゴアテックスの性能を低下させるので使用しないで下さい。
私が良く使うエマールでもOKです。
今回は前から気になっていたグレンジャーズというメーカーのレインウェア専用洗剤を使ってみました。

40℃くらいのお湯に洗剤を投入し、押し洗いします。


②しっかりすすぐ


洗浄成分が残ると撥水性が低下してしまうので泡が消えるまで入念にすすいで下さい。
私は3回すすぎました。


③撥水剤を添加


撥水剤の使用法はメーカーによって違うので製品に書かれている使用法に従って加工して下さい。
私は洗いと同様グレンジャーズの撥水剤(左側)を使用します。漬け込むタイプの撥水剤です。
裏地がメッシュになっているゴアテックス製品は写真右側のようなスプレータイプの撥水剤を使用します。

市販の撥水スプレーを使用する場合は必ずフッ素系のものを使用して下さい。シリコン系は撥水性は抜群ですがゴアテックス最大の武器である透湿性(湿気を外に逃す性能)を著しく低下させます。

撥水剤をなじませる為に10分ほど漬け込みます。

余分な撥水剤をすすぎます。
1回で充分だと思います。


④乾燥


洗濯機で脱水はせず余分な水分を振って落としチャックをすべて開けて日陰で自然乾燥します。
初めのうちは下にポタポタ水滴が落ちると思いますので風呂場で干すなど工夫して干して下さい。

フードとポケットの内側に水が溜まっていると思うのでタオルで拭くなどして水気を取って下さい。レインウェアはタオルなどと比べると乾きやすいのでこの時期でも比較的早く乾くと思います。


⑤仕上げのアイロン


自然乾燥だけでも撥水効果は期待できますがアイロンで熱を加える事によって撥水性がさらにUPします。

温度は低温(私のアイロンの場合は100度)、スチームなし、当て布をして全体をアイロンがけして下さい。

自然乾燥→アイロンがけが面倒な方は乾燥機による乾燥でもOKです。

撥水剤を使用した後、濡れたまま乾燥機に入れてしまうパターン、一旦自然乾燥させてから20分ほど乾燥機に入れるパターンがあります。自然乾燥させてから乾燥機パターンの方が衣類には優しいと思います。

自然乾燥→アイロンパターンが1番撥水性が高まり、衣類にも優しいと思います。

いい感じに弾いてくれてます。

もうすぐ雨の季節が来ますがバッチリ雨をガードして少しでも気分良く梅雨を過ごしたいですね!

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